非エンジニア社長のための「騙されない」システム開発見積もりの読み方

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非エンジニア社長のための「騙されない」システム開発見積もりの読み方非エンジニア社長のための「騙されない」システム開発見積もりの読み方

見積もりが「高いのか安いのか」わからない恐怖

「見積もりが3社から届いた。300万、500万、800万。どれが正しいの?」

「見積書を見ても、何にいくらかかっているのか、さっぱりわからない」

「この金額が妥当なのか判断できないまま、契約してしまった」

システム開発の見積もりを前にして、こんな経験をしたことはありませんか?

非エンジニアにとって、開発見積もりはブラックボックス。

同じ内容を依頼しても、開発会社によって金額が2〜3倍違うことは珍しくありません。しかも、高ければ良いというわけでもない。安すぎても不安。

判断基準がないまま契約すると、こんな問題が起こります:

  • 過払い: 相場より200万円以上高い金額で契約してしまう
  • 追加費用の罠: 最初の見積もりは安かったが、追加費用で倍以上になる
  • 品質問題: 安さに惹かれて契約したら、まともに動かないものが納品される
  • トラブル: 曖昧な見積もりのせいで、「言った言わない」の争いに

開発見積もりを読み解く力がないと、数百万円単位の損失につながるのです。

見積もりがわからないのは、あなたのせいではない

「技術のことがわからないから、見積もりも理解できない」

そう思っていませんか?

実は、見積もりがわかりにくいのは、開発会社側の問題でもあります。

業界の現実をお話しします。

なぜ見積もりはわかりにくいのか

1. 標準フォーマットがない

建設業界には「坪単価」という共通の指標があります。不動産なら「平米単価」。しかし、システム開発には業界共通の見積もり基準がありません。

開発会社ごとに見積もりの書き方がバラバラなので、比較しようがないのです。

2. 曖昧さを残すインセンティブがある

正直に言えば、開発会社には見積もりを曖昧にするインセンティブがあります。

曖昧にしておけば、後から「これは見積もりに含まれていません」と言いやすい。追加費用を請求しやすい。細かく書くと、他社と比較されやすくなる。

だから、意図的に曖昧な見積もりを出す会社もあります。

3. 技術者でないと読めない書き方

「フロントエンド開発:80人日」「API設計・実装:60人日」

こう書かれても、非エンジニアには何のことかわかりません。しかし、開発会社はこの書き方が当たり前だと思っている。

見積もりがわからないのは、あなたの能力の問題ではありません。

業界の構造的な問題なのです。

だからこそ、読み解くための「型」を知っておくことが重要です。

見積もりを読み解く5つの視点

見積もりを読み解く5つの視点見積もりを読み解く5つの視点

この記事では、非エンジニアでも見積もりを正しく読み解くための方法を解説します。

読み終わる頃には、以下のことができるようになります:

  • 見積書の構成要素を理解できる
  • 適正価格かどうかを判断できる
  • 危険な見積もりを見分けられる
  • 開発会社に質問すべきポイントがわかる
  • 複数の見積もりを正しく比較できる

高い専門知識は必要ありません。5つの視点を押さえるだけで、見積もりの「本質」が見えてきます。


視点1:見積もりの構成要素を理解する

システム開発費用の内訳

まず、システム開発の見積もりが何で構成されているかを理解しましょう。

一般的な見積もりには、以下の要素が含まれます:

項目内容割合目安
要件定義何を作るかを決める工程10〜15%
設計どう作るかを決める工程15〜20%
開発(実装)実際にコードを書く工程40〜50%
テスト正しく動くか確認する工程15〜20%
環境構築・デプロイ本番環境を用意する工程5〜10%
プロジェクト管理進捗管理・コミュニケーション10〜15%

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チェックポイント:

  • これらの項目が明示されているか
  • 各項目の工数(人日)が記載されているか
  • 抜けている工程がないか(特にテストが省略されていないか要注意)

見積もりの単位「人日」とは

見積書でよく見る「人日」という単位。これは「1人のエンジニアが1日働く量」を意味します。

人日の目安:

エンジニアレベル単価目安(1人日)
ジュニア(経験1〜3年)3〜5万円
ミドル(経験3〜7年)5〜8万円
シニア(経験7年以上)8〜12万円
テックリード/アーキテクト12〜20万円

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例えば、「開発:50人日 × 6万円 = 300万円」という計算です。

注意: 単価が安すぎる場合(3万円以下)は、経験の浅いエンジニアがアサインされる可能性が高い。逆に高すぎる場合(15万円以上)は、その根拠を確認すべきです。


視点2:見積もり金額の妥当性を判断する

機能別の相場感

「この金額は高いのか安いのか」を判断するには、相場感を持つことが重要です。

一般的な機能の開発費用目安:

機能費用目安備考
ログイン機能(メール認証)30〜50万円SNSログイン追加で+10〜20万円
ユーザー登録・プロフィール20〜40万円項目数による
一覧表示・検索機能30〜60万円検索条件の複雑さによる
予約・申込機能50〜100万円カレンダー連携等で変動
決済機能50〜100万円決済代行サービスによる
管理画面50〜150万円機能数による
プッシュ通知20〜40万円iOS/Android両対応の場合

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注意: これはあくまで目安です。仕様の複雑さ、デザインの凝り具合、既存システムとの連携などで大きく変動します。

全体感の相場

プロジェクト全体の相場感も押さえておきましょう。

プロジェクト規模費用目安期間目安
MVP(最小限のアプリ)200〜500万円2〜4ヶ月
小規模アプリ500〜1,000万円4〜6ヶ月
中規模アプリ1,000〜3,000万円6〜12ヶ月
大規模システム3,000万円〜12ヶ月〜

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相場から大きく外れている場合は要注意。

安すぎる場合:

  • 要件を誤解している
  • 品質に問題がある可能性
  • 後から追加費用を請求される可能性

高すぎる場合:

  • 必要以上の機能が含まれている
  • 過剰な品質要件が設定されている
  • 単純に利益を乗せすぎている

視点3:危険な見積もりの特徴を見抜く

危険な見積もりの特徴危険な見積もりの特徴

危険サイン①:一式見積もり

「システム開発一式:500万円」

こんな見積もりは危険です。

何にいくらかかっているのかわからない。後から「これは含まれていません」と言われる可能性が高い。

対策: 必ず内訳の詳細を求めてください。工程別、機能別の内訳がない見積もりは、契約前に明細を要求しましょう。

危険サイン②:テスト工程がない・極端に少ない

テスト工程が見積もりに含まれていない、または全体の5%以下しかない場合は要注意。

テストを省略すると、納品後にバグだらけで使い物にならない、という事態になりかねません。

目安: テスト工程は全体の15〜20%が適正。これより極端に少ない場合は、理由を確認してください。

危険サイン③:要件定義費用がゼロ

「要件定義は無料でやります」という会社があります。

一見親切に見えますが、要件定義にコストをかけない = 要件が曖昧なまま開発が始まるということ。

結果として、「思っていたのと違う」という事態が起こりやすくなります。

目安: 要件定義は全体の10〜15%が適正。ゼロまたは極端に少ない場合は危険信号です。

危険サイン④:異常に安い見積もり

相場の半額以下の見積もりが来たら、喜ぶ前に疑ってください。

安い理由として考えられるのは:

  1. 要件を誤解している(後で追加費用になる)
  2. 経験の浅いエンジニアのみ(品質問題のリスク)
  3. オフショア(海外)開発(コミュニケーションコストが別途発生)
  4. 受注するための「おとり価格」(後で追加費用を請求)

対策: 安い理由を必ず確認。「なぜこの金額でできるのか」を説明できない会社は避けましょう。

危険サイン⑤:追加費用の記載がない

システム開発で、最初の見積もり通りに終わることは稀です。

要件変更、仕様追加、想定外の技術的課題…。追加費用が発生する可能性は高い。

しかし、見積書に「追加費用の算定方法」が記載されていない場合、後で揉める原因になります。

確認すべき点:

  • 追加開発の単価(人日単価)
  • 変更管理のプロセス
  • 追加費用が発生する条件

視点4:見積もりの前提条件を確認する

見落としがちな前提条件

見積書には「前提条件」や「除外事項」が記載されていることがあります。ここを見落とすと、後で「別料金です」と言われることに。

確認すべき前提条件:

項目確認ポイント
対応デバイスWeb/iOS/Androidどこまで含まれるか
対応ブラウザIE対応が必要な場合は追加費用になることも
サーバー費用開発費に含まれるか、別途かかるか
ドメイン・SSL含まれるか、別途かかるか
デザインデザインデータは誰が用意するか
写真・イラスト素材は誰が用意するか
原稿・コンテンツ文章は誰が用意するか
保守・運用納品後のサポートは含まれるか

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「含まれないもの」を明確にする

見積もりを受け取ったら、以下の質問をしてください:

「この見積もりに含まれないものは何ですか?」

この質問で、後から請求される可能性のある費用が見えてきます。

よくある「含まれないもの」:

  • サーバー・インフラ費用(月額数千円〜数万円)
  • App Store/Google Play登録費用(年間約1〜3万円)
  • 外部サービス利用料(決済、SMS、地図APIなど)
  • 納品後のバグ修正(保証期間外の場合)
  • マニュアル作成・トレーニング
  • データ移行(既存システムからの乗り換えの場合)

視点5:複数の見積もりを正しく比較する

比較可能な状態を作る

複数社から見積もりを取る場合、同じ条件で見積もってもらうことが重要です。

そのためには、仕様書(RFP)を作成して、各社に同じ内容で見積もりを依頼しましょう。

仕様書に含めるべき内容:

  1. プロダクトの概要と目的
  2. ターゲットユーザー
  3. 必要な機能一覧
  4. 画面一覧(できればワイヤーフレーム)
  5. 非機能要件(対応デバイス、想定ユーザー数など)
  6. 希望スケジュール
  7. 予算感(伝えるかどうかは判断による)

比較のチェックリスト

見積もりを比較する際は、以下の観点でチェックしてください:

比較項目A社B社C社
合計金額
要件定義の有無・費用
テスト工程の割合
人日単価
含まれる機能
含まれない項目
保証期間
追加費用の算定方法
納期
支払い条件

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金額だけで比較しないこと。 安い見積もりには、何かが省略されている可能性があります。

見積もりの「質問」で会社の質がわかる

見積もりを受け取った後、質問をしてみてください。その回答の仕方で、開発会社の質がわかります。

良い会社の特徴:

  • 質問に対して具体的に回答する
  • わからないことは「確認します」と言える
  • 見積もりの根拠を説明できる
  • リスクや懸念点を正直に伝える

危険な会社の特徴:

  • 質問をはぐらかす
  • 「大丈夫です」「問題ありません」としか言わない
  • 見積もりの根拠を説明できない
  • 都合の悪いことは言わない

見積もりを読むときの心構え

「安さ」ではなく「コスパ」で考える

見積もりを見るとき、つい「いかに安くするか」を考えがちです。

しかし、システム開発で最も高くつくのは、失敗した開発をやり直すことです。

300万円で作ったシステムが使い物にならず、500万円で作り直す。結果として800万円かかる。

最初から500万円で確実に作っていれば、300万円の節約になったはずです。

「安い」ではなく「失敗しない」を優先してください。

わからないことは「わからない」と言う

見積もりを見て、わからないことがあったら、遠慮なく質問してください。

「こんなことも知らないのか」と思われるのが恥ずかしい?

いいえ。わからないまま契約する方が、よほど危険です。

質問に対して丁寧に説明してくれる会社は、開発中のコミュニケーションも丁寧です。逆に、質問を面倒くさがる会社は、開発中も同じ態度を取る可能性が高い。

質問は、会社の質を見極める手段でもあるのです。

第三者の目を入れる

見積もりの妥当性を自分だけで判断するのは、正直なところ難しい。

可能であれば、技術に詳しい第三者にレビューしてもらうことをお勧めします。

  • エンジニアの知人
  • 起業家仲間で開発経験のある人
  • 技術顧問(社外CTO)

開発会社に聞いても、自社に有利な回答しか返ってきません。中立的な立場の人に見てもらうことで、見落としていたリスクが見つかることもあります。

atelier binary(アトリエ・バイナリ)では、見積もりのセカンドオピニオンを提供しています。「技術がわからないことで挑戦を諦める非エンジニア起業家をゼロにする」というビジョンのもと、見積もりの妥当性チェック、開発会社選びのアドバイス、契約前の技術的なリスク洗い出しなど、開発の失敗回避とコスト削減をサポートしています。


こんな方は、今すぐ見積もりを見直してください

以下に当てはまる方は、契約前にもう一度見積もりを確認することをお勧めします:

  • 見積書が「一式」で詳細がわからない
  • 3社以上から見積もりを取っていない
  • 見積もりの金額差が2倍以上ある
  • 追加費用の発生条件を確認していない
  • テスト工程が見積もりに含まれていない
  • 「なぜこの金額なのか」を説明できない

開発費用は、一度契約すると取り戻せません。

契約前の今が、最後の確認チャンスです。


まとめ:見積もりを読み解く5つの視点

まとめ:見積もり読解の5つの視点まとめ:見積もり読解の5つの視点

この記事のポイントをおさらいします。

見積もりを読み解く5つの視点

視点確認ポイント
視点1:構成要素工程別・機能別の内訳があるか
視点2:金額の妥当性相場から大きく外れていないか
視点3:危険サイン一式見積もり、テスト省略、異常な安さ
視点4:前提条件含まれないものは何か
視点5:比較同条件で複数社から見積もりを取る

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今日からできるアクション

  1. 手元の見積書を見直す——この記事のチェックポイントで確認
  2. 「含まれないもの」を質問する——後から請求される費用を把握
  3. 複数社から見積もりを取る——まだ1社しか取っていないなら追加で
  4. 第三者にレビューを依頼する——技術に詳しい人の目を入れる

見積もりを正しく読み解けるようになれば、数百万円の損失を防ぐことができます。

「よくわからないから」と契約してしまう前に、この記事のポイントを確認してください。


見積もりの妥当性、自信を持って判断できますか?

  • 複数の見積もりがあるが、どう比較すればいいかわからない
  • この金額が高いのか安いのか判断できない
  • 見積書の内容を理解できているか不安
  • 契約前に、第三者の意見を聞きたい

一つでも当てはまるなら、契約前にご相談ください。

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