「技術顧問」と「開発会社」の違い。あなたのフェーズに必要なのはどっち?

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「技術顧問」と「開発会社」の違い。あなたのフェーズに必要なのはどっち?「技術顧問」と「開発会社」の違い。あなたのフェーズに必要なのはどっち?

「誰に頼めばいいのかわからない」——技術の壁に直面する起業家たち

「アプリを作りたいけど、開発会社に頼むべき?それとも技術顧問を雇うべき?」

「見積もりを取ったら数百万円と言われた。これって妥当なの?」

「技術顧問って具体的に何をしてくれる人なの?」

非エンジニアの起業家から、このような相談をよく受けます。

プロダクト開発を進めようとしたとき、最初にぶつかる壁が「誰に頼むか」という問題です。Google で検索すれば、開発会社も技術顧問も山ほど出てきます。しかし、それぞれ何が違うのか、自分には何が必要なのか、明確に理解している人は少ないのではないでしょうか。

この選択を間違えると、大きな代償を払うことになります。

本来なら50万円で済んだかもしれないことに500万円を払ってしまったり、逆に安さを求めて失敗作を作り直すハメになったり。あるいは、そもそも作る必要のなかったものを作ってしまったり。

技術がわからないからこそ、この最初の一歩を踏み外す起業家が後を絶ちません。

「正解がわからない」苦しみ、あなただけではありません

私自身、多くの非エンジニア創業者と話す中で、この悩みの深刻さを痛感してきました。

ある創業者は、こう語っていました。

「最初、開発会社に300万円でアプリを作ってもらいました。でも納品されたものが想像と全然違って。修正を頼んだら追加で100万円と言われました。結局、別の会社に一から作り直してもらうことになり、合計で600万円以上かかりました」

別の創業者はこんな経験をしていました。

「技術顧問という人に月20万円で入ってもらいました。でも月1回のミーティングでアドバイスをくれるだけで、実際の開発は進まない。気づいたら半年経っていて、プロダクトは1行もコードができていませんでした」

どちらのケースも、「技術顧問」と「開発会社」の役割を正しく理解していれば、避けられた失敗です。

問題は、誰も正しい情報を教えてくれないこと。開発会社に聞けば「うちに任せてください」と言われ、技術顧問に聞けば「まずは相談から」と言われる。営業トークに振り回されて、結局よくわからないまま判断を迫られる。

これは、非エンジニア起業家にとって構造的な不利益です。

この記事でわかること:フェーズ別の正しい選択肢

技術顧問と開発会社の違いを理解する技術顧問と開発会社の違いを理解する

この記事では、技術顧問と開発会社の本質的な違いを明確にし、あなたの事業フェーズに合った最適な選択肢を解説します。

読み終えれば、以下のことがわかります:

  • 技術顧問と開発会社、それぞれの「本当の役割」
  • コスト構造の違いと、隠れたコストの見抜き方
  • 創業期・成長期・拡大期、フェーズ別の最適解
  • 失敗しないための具体的な判断基準

技術がわからなくても大丈夫です。この記事を読めば、自信を持って正しい選択ができるようになります。

技術顧問とは何か?——「開発しない」からこそ価値がある

まず、技術顧問の役割を正しく理解しましょう。

技術顧問とは、技術的な意思決定をサポートする専門家です。重要なポイントは、技術顧問自身は開発をしないということ。

これは弱点ではなく、強みです。

開発会社は「開発を受注すること」がビジネスです。だから、相談すると「うちで作りましょう」という結論になりがちです。一方、技術顧問は開発を請け負わないからこそ、中立的な立場でアドバイスできます

技術顧問の主な役割

  1. 技術選定のアドバイス:どの技術スタックを使うべきか、なぜその技術が最適なのかを解説
  2. 見積もりの妥当性チェック:開発会社の見積もりが適正かどうかを第三者視点で評価
  3. 開発会社の選定サポート:複数の開発会社を比較し、最適なパートナーを選ぶ手助け
  4. プロジェクト監修:開発が正しく進んでいるか、品質に問題がないかを監視
  5. エンジニア採用のサポート:候補者の技術力評価、採用戦略の立案
  6. 技術的な意思決定の壁打ち相手:日々の技術的な疑問に答える

技術顧問のコスト構造

技術顧問の報酬体系は、一般的に以下のパターンがあります:

  • 月額固定制:月10〜50万円程度(稼働時間による)
  • 時間単価制:1時間1〜3万円程度
  • プロジェクト単位:特定の案件に対して固定報酬

開発会社と比べると「安い」と感じるかもしれません。しかし、技術顧問は開発そのものは行わないため、実際に動くプロダクトを作るには別途開発リソースが必要です。

技術顧問が向いているケース

  • これから開発を始める段階:まだ何を作るべきか、どう作るべきかが固まっていない
  • 開発会社の見積もりに不安がある:提示された金額が妥当かわからない
  • 社内にエンジニアを雇いたい:採用や組織づくりのサポートが必要
  • すでに開発が進んでいるが不安がある:進捗や品質をチェックしてほしい

開発会社とは何か?——「作る」ことのプロフェッショナル

次に、開発会社の役割を見ていきましょう。

開発会社とは、プロダクトを実際に設計・開発・納品する組織です。エンジニアやデザイナーがチームとして在籍し、依頼に応じてプロダクトを作り上げます。

開発会社の主な役割

  1. 要件定義:作りたいものを具体的な仕様に落とし込む
  2. 設計:システム構成やデータベース設計などの技術設計
  3. 開発:実際にコードを書いてプロダクトを構築
  4. テスト:品質を担保するためのテスト実施
  5. 納品・リリース:完成したプロダクトを納品、本番環境へのデプロイ
  6. 保守・運用:リリース後のバグ修正や機能追加(オプション)

開発会社のコスト構造

開発会社への発注は、主に以下の形態があります:

  • 受託開発(一括請負):仕様を決めて固定金額で発注(例:300万円でアプリ開発)
  • 準委任契約(ラボ型):エンジニアの稼働時間に応じて月額で支払い(例:月100万円×3ヶ月)
  • SES(システムエンジニアリングサービス):エンジニアを派遣してもらい、自社の指揮下で開発

一般的に、一括請負は安く見えるがリスクが高く準委任は高く見えるが柔軟性があるという傾向があります。

開発会社の隠れたコスト

見積もりに表れないコストも考慮が必要です:

  • 仕様変更の追加費用:「思っていたのと違った」場合の修正費用
  • コミュニケーションコスト:認識のズレを埋めるための時間と労力
  • 保守費用:納品後のバグ修正や機能追加
  • 技術的負債:安く作った結果、将来的に高くつく設計

開発会社が向いているケース

  • 作るものが明確に決まっている:仕様が固まっていて、あとは実装するだけ
  • 短期間で形にしたい:MVP(最小限の製品)を素早く市場に出したい
  • 社内に開発リソースがない:エンジニアを雇う余裕がない
  • 一度きりの開発:継続的な開発ではなく、単発のプロジェクト

両者の違いを整理する:比較表

技術顧問と開発会社の比較技術顧問と開発会社の比較

ここまでの内容を表にまとめます。

項目技術顧問開発会社
主な役割アドバイス・監修・意思決定支援設計・開発・納品
成果物知見・判断材料・レビュー結果動くプロダクト
コスト目安月10〜50万円数十万〜数千万円(規模による)
関わり方継続的なパートナープロジェクト単位
利害関係中立(開発を受注しない)開発受注が収益源
向いている段階企画・設計段階、開発監修実装・構築段階

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重要なポイント:技術顧問と開発会社は、どちらか一方を選ぶものではないということです。むしろ、両方を適切に組み合わせることで、開発の成功確率は大きく高まります。

フェーズ別:あなたに必要なのはどっち?

創業期(アイデア〜MVP開発前)

おすすめ:技術顧問 → 開発会社の順番

創業期は、まだ何を作るべきかが固まっていないことが多いです。この段階で開発会社に直接相談すると、「とりあえず作りましょう」という話になりがちです。

しかし、作る前に考えるべきことは山ほどあります:

  • そもそもアプリを作る必要があるのか?(ノーコードで十分かも)
  • どの技術で作るべきか?(選択肢によってコストが何倍も変わる)
  • どこまでを MVP として作るべきか?(機能を絞ることで開発費を抑えられる)
  • どんな開発会社を選ぶべきか?(得意分野や相性がある)

これらを整理するのが、技術顧問の仕事です。

具体的な進め方

  1. 技術顧問に相談し、プロダクトの要件を整理
  2. 技術顧問のサポートのもと、開発会社に見積もりを依頼
  3. 技術顧問が見積もりの妥当性をチェック
  4. 開発会社を選定し、発注
  5. 技術顧問が開発の進捗・品質を監修

この流れを踏むことで、開発費を30〜50%削減できるケースも珍しくありません。

成長期(MVP完成〜PMF模索)

おすすめ:技術顧問 + 開発会社 or 内製化検討

MVP ができて、ユーザーからのフィードバックを受けながら改善を繰り返す段階です。この時期は、スピードと柔軟性が求められます。

開発会社との一括請負契約は、この段階では向いていません。仕様が頻繁に変わるからです。

選択肢は主に2つ:

  1. 開発会社と準委任契約:柔軟に対応できる開発リソースを確保
  2. 内製化(エンジニア採用):自社でエンジニアを雇い、開発を内製化

どちらを選ぶべきかは、資金状況と事業の見通しによります。

技術顧問は、この判断をサポートする役割を担います。「今の段階で内製化すべきか」「どんなエンジニアを採用すべきか」「開発会社との契約をどうすべきか」といった相談に対応します。

atelier binaryでは、「技術がわからないことで挑戦を諦める非エンジニア起業家をゼロにする」というビジョンのもと、このフェーズの起業家に特に注力しています。正しい技術選定と開発の失敗回避を通じて、限られた資金を最大限に活かすお手伝いをしています。

拡大期(PMF達成〜スケール)

おすすめ:内製化 + 技術顧問(組織づくり支援)

PMF(プロダクトマーケットフィット)を達成し、本格的に成長を目指す段階です。

この時期は、開発の内製化がほぼ必須になります。理由は:

  • 開発スピードを自社でコントロールする必要がある
  • プロダクトの知見を社内に蓄積する必要がある
  • 中長期的には内製の方がコスト効率が良い

しかし、エンジニア組織を作るのは簡単ではありません。

技術顧問は、この段階で以下のような役割を担います:

  • 採用戦略の立案:どんなスキルセットのエンジニアを採用すべきか
  • 面接同席:候補者の技術力を評価
  • 組織設計:チーム構成や開発プロセスの整備
  • 技術的なメンタリング:CTOやリードエンジニアの育成

開発会社は、この段階では「一時的なリソース補強」として活用することが多くなります。社内で手が足りない部分だけを外注する形です。

よくある失敗パターンと回避方法

失敗パターン1:いきなり開発会社に丸投げ

何が問題か:要件が固まっていない状態で開発を始めると、「思っていたのと違う」が連発します。修正のたびに追加費用が発生し、最終的に当初予算の2〜3倍になることも。

回避方法:開発着手前に、技術顧問と一緒に要件を整理する。最低限でも、「何を作るか」「なぜ作るか」「誰が使うか」を明文化してから発注する。

失敗パターン2:技術顧問だけで開発が進まない

何が問題か:技術顧問はアドバイスはくれるが、実際にコードは書きません。技術顧問だけに頼っていると、「話し合いばかりで何も形にならない」状態が続きます。

回避方法:技術顧問の役割を明確にする。アドバイスをもらったら、速やかに開発リソース(開発会社 or 内製エンジニア)につなげる。技術顧問にはプロジェクト監修として継続的に関わってもらう。

失敗パターン3:安さだけで開発会社を選ぶ

何が問題か:安い開発会社は、安いなりの理由があります。経験の浅いエンジニアが担当したり、コードの品質が低かったり。結果的に、保守が困難になったり、作り直しが必要になったりします。

回避方法:技術顧問に開発会社の選定をサポートしてもらう。見積もりだけでなく、過去の実績・技術力・コミュニケーションの質を評価する。

失敗パターン4:技術顧問の言うことを鵜呑みにする

何が問題か:技術顧問も人間です。得意分野・不得意分野があり、時には間違ったアドバイスをすることもあります。

回避方法:複数の意見を聞く。可能であれば、セカンドオピニオンとして別の技術者にも相談する。また、技術顧問に「なぜそう考えるか」の理由を必ず聞く。理由が説明できないアドバイスは、鵜呑みにしない。

こんな方に、この記事の内容を活かしてほしい

  • プロダクト開発を検討しているが、誰に相談すべきかわからない方
  • 開発会社に見積もりを取ったが、妥当かどうか判断できない方
  • 過去に開発で失敗した経験があり、次は失敗したくない方
  • 限られた資金で、最大限の成果を出したい方
  • 技術がわからないことにコンプレックスを感じている経営者

技術がわからなくても、正しい選択はできます。

大事なのは、技術顧問と開発会社の役割の違いを理解し、自分のフェーズに合った使い方をすることです。

まとめ:正しい選択で、開発の失敗を回避する

フェーズ別の正しい選択フェーズ別の正しい選択

この記事のポイントをおさらいします。

技術顧問とは

  • 技術的な意思決定をサポートする専門家
  • 開発はしないが、中立的な立場でアドバイスできる
  • 技術選定、見積もり評価、開発監修、採用支援などを担当
  • 月10〜50万円程度が相場

開発会社とは

  • プロダクトを実際に設計・開発・納品する組織
  • 動くものを作ってくれるが、自社の利益を優先する場合も
  • 一括請負・準委任・SESなど契約形態はさまざま
  • 数十万〜数千万円(規模による)

フェーズ別の最適解

フェーズおすすめの組み合わせ
創業期(〜MVP)技術顧問 → 開発会社の順番で活用
成長期(MVP〜PMF)技術顧問 + 開発会社(準委任)or 内製化検討
拡大期(PMF〜)内製化 + 技術顧問(組織づくり支援)

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失敗を回避するポイント

  • いきなり開発会社に丸投げしない
  • 技術顧問だけに頼りすぎない
  • 安さだけで開発会社を選ばない
  • 技術顧問の言うことも鵜呑みにしない

今日からできるアクション:

  1. 自分の事業フェーズを確認する:創業期・成長期・拡大期のどこにいるか
  2. 今、本当に必要なのは何かを考える:アドバイスか、開発リソースか
  3. 信頼できる相談相手を見つける:利害関係のない第三者の視点を得る
  4. 複数の選択肢を比較する:1社だけでなく、複数の技術顧問・開発会社と話す

技術がわからないからといって、間違った選択をする必要はありません。正しい知識を持てば、技術の壁を乗り越えて事業を成功に導くことができます


プロダクト開発で、正しい選択ができているか不安ですか?

atelier binaryでは、「技術がわからないことで挑戦を諦める起業家をゼロにする」というビジョンのもと、非エンジニア経営者の技術参謀を務めています。

  • 開発会社の見積もりが妥当かチェックしてほしい
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