Webアプリとネイティブアプリ、初期ステージで選ぶべきは?
「Webとネイティブ、どっちで作ればいいの?」初期ステージ最大の悩み
「アイデアはある。市場もある程度見えてきた。でも、開発をどう進めればいいかわからない」
「Webアプリとネイティブアプリ、どちらで作るべきか判断できない」
「iOSとAndroid、両方作らないといけないの?予算が足りない…」
こんな悩みを抱えていませんか?
スタートアップの初期ステージで、多くの非エンジニア起業家がこの問題に直面します。
周りに聞いても答えはバラバラ。
「とりあえずアプリを作れ」という人もいれば、「まずはWebから」という人もいる。
エンジニアに相談しても、専門用語が飛び交って結局よくわからない。
間違った選択をすれば、数百万円の開発費用と数ヶ月の時間が無駄になります。
シードマネーが限られている初期ステージでは、致命的なダメージです。
でも、安心してください。
この判断には、明確な基準があります。
同じ悩みを持つ起業家は、本当に多いのです
「WebかネイティブかでチームがWeeksも議論した」
「最初にネイティブで作って大失敗した」
「Webで作ったら『使いにくい』と言われた」
こうした声は、珍しくありません。
技術選定の失敗は、スタートアップ失敗の隠れた原因のひとつです。
特に非エンジニア創業者は、技術的な判断に自信が持てません。
だからこそ、開発会社やエンジニアの言いなりになってしまうこともあります。
しかし、あなたが判断できないのは、知識がないからではありません。
判断基準を知らないからです。
判断基準さえわかれば、非エンジニアでも正しい選択ができます。
実際、多くの成功したスタートアップは、初期ステージで賢い技術選定をしています。
Airbnb、Uber、Instagram、Slack…
彼らも最初から完璧な技術選定をしたわけではありません。
「今の段階で何が必要か」を正確に見極め、適切な選択をしたのです。
この記事でわかること:正しい技術選定の判断基準
技術選定の判断基準
この記事では、初期ステージでWebアプリとネイティブアプリのどちらを選ぶべきか、明確な判断基準を解説します。
読み終わる頃には、以下のことがわかります:
- Webアプリとネイティブアプリの本質的な違いを理解できる
- それぞれのメリット・デメリットを比較できる
- あなたのプロダクトに適した選択を判断できる
- 初期ステージで避けるべき失敗パターンがわかる
- ハイブリッドアプリという第三の選択肢を検討できる
技術がわからなくても、この記事を読めば自信を持って判断できるようになります。
まず押さえたい:Webアプリとネイティブアプリの違い
判断する前に、基本的な違いを理解しましょう。
Webアプリとは?
Webアプリは、ブラウザ上で動作するアプリケーションです。
特徴:
- インストール不要(URLにアクセスするだけ)
- PC、スマホ、タブレットなど、どのデバイスでも利用可能
- 開発は基本的に1つのコードベースでOK
- 更新はサーバー側で行うため、ユーザーは常に最新版を使える
代表例:
- Gmail
- Notion
- Figma
- Canva
ネイティブアプリとは?
ネイティブアプリは、スマートフォンにインストールして使うアプリケーションです。
特徴:
- App Store / Google Play Storeからダウンロード
- iOSとAndroidで別々の開発が必要(基本的に)
- スマートフォンの機能(カメラ、GPS、プッシュ通知など)をフル活用可能
- オフラインでも動作可能
代表例:
- TikTok
- Uber
- PayPay
決定的な違い
| 観点 | Webアプリ | ネイティブアプリ |
|---|---|---|
| アクセス方法 | URL | アプリストアからダウンロード |
| 開発コスト | 低〜中 | 高(iOS/Android別々) |
| 開発期間 | 短い | 長い |
| ユーザー体験 | 良い | 非常に良い |
| デバイス機能 | 限定的 | フルアクセス |
| 更新の手間 | 少ない | 審査あり |
| オフライン | 難しい | 可能 |
← 横にスクロールできます →
開発コストの現実:どれくらい違うのか?
初期ステージで最も気になるのはコストでしょう。
具体的な数字で比較してみます。
開発コストの目安(MVP段階)
Webアプリ:
- シンプルなMVP:100〜300万円
- 中程度の機能:300〜500万円
- 複雑な機能:500〜1,000万円
ネイティブアプリ(iOSまたはAndroid片方):
- シンプルなMVP:200〜500万円
- 中程度の機能:500〜800万円
- 複雑な機能:800〜1,500万円
ネイティブアプリ(iOS + Android両方):
- シンプルなMVP:350〜800万円
- 中程度の機能:800〜1,400万円
- 複雑な機能:1,400〜2,500万円
なぜネイティブは高いのか?
理由1:2つのプラットフォーム
iOSはSwift、AndroidはKotlinという別の言語で開発します。
つまり、同じ機能でも2回作る必要があるのです。
理由2:審査と対応
App Store、Google Playの審査対応が必要です。
審査に落ちれば、修正と再審査の工数がかかります。
理由3:専門性の高さ
ネイティブ開発者は、Webエンジニアより単価が高い傾向にあります。
維持コストも忘れずに
初期開発だけでなく、運用フェーズのコストも考慮してください。
Webアプリの運用コスト:
- サーバー費用:月1〜10万円程度
- 保守・改修:月10〜30万円程度
- 合計:月11〜40万円程度
ネイティブアプリの運用コスト(iOS + Android):
- サーバー費用:月1〜10万円程度
- 保守・改修:月20〜60万円程度(2プラットフォーム分)
- ストア年間費用:約13,000円(Apple 99ドル + Google 25ドル)
- 合計:月21〜70万円程度
ネイティブは、作った後もお金がかかり続けます。
開発スピードの違い:いつリリースできるか?
限られた資金でスタートアップを成長させるには、スピードが命です。
リリースまでの期間目安(MVP)
Webアプリ:
- シンプルなMVP:1〜2ヶ月
- 中程度の機能:2〜4ヶ月
- 複雑な機能:4〜6ヶ月
ネイティブアプリ(iOS + Android):
- シンプルなMVP:3〜5ヶ月
- 中程度の機能:5〜8ヶ月
- 複雑な機能:8〜12ヶ月
なぜWebの方が速いのか?
理由1:1つのコードベース
Webは1回作れば、すべてのデバイスで動きます。
ネイティブは2回(iOS + Android)作る必要があります。
理由2:審査がない
Webはサーバーにアップロードすれば即公開。
ネイティブはストア審査に1〜7日かかります(リジェクトされればさらに遅延)。
理由3:更新が即時
Webは修正すれば即反映。
ネイティブは更新のたびに審査が必要です。
初期ステージでスピードが重要な理由
理由1:仮説検証の速さ
「ユーザーはこの機能を求めている」という仮説を、早く検証する必要があります。
1ヶ月でリリースして検証できるWebと、4ヶ月かかるネイティブ。
3ヶ月の差は、スタートアップにとって大きいです。
理由2:ピボットの可能性
初期の仮説が外れることは珍しくありません。
ピボットが必要になったとき、Webなら柔軟に方向転換できます。
ネイティブで4ヶ月かけて作ったアプリをゼロから作り直す…それは厳しい。
理由3:資金の燃焼速度
開発期間が長いほど、資金は減っていきます。
早くリリースして収益化や追加調達に動けるWebは、資金効率がいいのです。
ユーザー体験の違い:どちらが使いやすいか?
ユーザー体験の比較
ユーザー体験(UX)は、プロダクトの成功を左右する重要な要素です。
ネイティブアプリの優位性
1. 動作がスムーズ
ネイティブはデバイスに最適化されているため、動作が非常にスムーズです。
スクロール、アニメーション、画面遷移…すべてが滑らかに動きます。
2. デバイス機能のフル活用
- カメラ:QRコード読み取り、写真撮影
- GPS:位置情報サービス
- プッシュ通知:リアルタイムで通知を送れる
- 生体認証:Face ID、指紋認証
- オフライン:電波がなくても使える
これらをシームレスに使えるのは、ネイティブの大きな強みです。
3. ホーム画面に常駐
アプリのアイコンがホーム画面にあることで、ユーザーの目に触れる機会が増えます。
これは継続利用率に直結します。
Webアプリの改善
ただし、Webアプリも進化しています。
PWA(Progressive Web App)の登場
PWAとは、Webアプリをネイティブアプリのように使える技術です。
- ホーム画面にアイコンを追加できる
- オフラインでも動作可能
- プッシュ通知も送れる(制限あり)
Twitter(現X)やStarbucksなど、大手企業もPWAを採用しています。
UXの差は縮まっている
数年前は「UXならネイティブ一択」でしたが、その差は年々縮まっています。
ただし、以下のケースではまだネイティブに優位性があります:
- 高度なカメラ機能を使う
- リアルタイム位置情報が重要
- オフライン利用が必須
- ゲームなど高いパフォーマンスが求められる
- プッシュ通知が事業の根幹
ユーザー獲得:どちらが集客しやすいか?
作ったプロダクトをユーザーに届ける。
この観点も非常に重要です。
Webアプリの強み:SEOとシェアしやすさ
SEO(検索エンジン最適化)
Webは検索エンジンにインデックスされます。
つまり、Googleで検索して見つけてもらえるのです。
コンテンツマーケティングと相性が良く、広告費ゼロでユーザーを獲得できる可能性があります。
シェアのしやすさ
URLをコピーして送るだけ。
SNSでのシェア、メールでの共有、すべてが簡単です。
ネイティブアプリは「App Storeで○○と検索して…」という説明が必要。
そのひと手間で、かなりのユーザーが離脱します。
ネイティブアプリの強み:ストアでの発見
App Store / Google Playの存在
ストアには、アプリを探しに来る能動的なユーザーがいます。
ストアのランキングやおすすめに載れば、大量のダウンロードが期待できます。
ただし、上位表示は非常に難しい
2024年現在、App Storeには約178万本、Google Playには約257万本のアプリがあります。
その中で発見されるのは、至難の業です。
結局、ストアでの発見は広告費をかけるか、既に知名度がないと難しいのが現実です。
初期ステージでの現実
Webの方が集客しやすい傾向
- SEOで長期的な流入を作れる
- SNSでシェアされやすい
- 広告のCPAが低い傾向
ネイティブは獲得コストが高くなりがち
- アプリインストール広告は高コスト
- ストア上位表示にはASO(アプリストア最適化)の知識と工数が必要
- インストールというハードルがある
判断フレームワーク:あなたのプロダクトはどちらを選ぶべきか?
具体的な判断基準をお伝えします。
Webアプリを選ぶべき5つのケース
1. MVPを最速でリリースしたい
仮説検証を早くしたいなら、Webが適しています。
1〜2ヶ月でリリースして、市場の反応を見ましょう。
2. 予算が500万円以下
限られた予算では、ネイティブ(iOS + Android)を作る余裕はありません。
Webで始めて、成功してから拡張するのが現実的です。
3. PCでも使ってほしい
B2Bサービスや、業務効率化ツールなど。
PCでの利用がメインなら、Webが適しています。
4. デバイス固有の機能が不要
カメラ、GPS、プッシュ通知など、スマホ特有の機能を使わないなら、Webで十分です。
5. SEOで集客したい
コンテンツマーケティングで自然流入を作りたいなら、Webが有利です。
ネイティブアプリを選ぶべき5つのケース
1. スマホ機能のフル活用が必須
カメラ撮影がコア機能、リアルタイム位置情報が必須など。
これらがないと成り立たないなら、ネイティブを選びましょう。
2. オフライン利用が重要
電波が不安定な環境で使う、オフラインでも動作する必要がある。
このケースではネイティブが適しています。
3. ゲームや高パフォーマンスが必要
リッチなアニメーション、高速な描画が求められるなら、ネイティブです。
4. プッシュ通知が事業の根幹
エンゲージメントを高めるためにプッシュ通知が欠かせないなら、ネイティブが確実です。
(Webでもプッシュ通知は可能ですが、iOSでは制限があります)
5. ストアでの信頼性が重要
金融系、ヘルスケア系など、「ストアにある=信頼できる」という印象が重要なケース。
ストアの審査を通過していることが、信頼性につながります。
判断チェックリスト
以下の質問に答えてみてください:
□ 最速でリリースすることが最優先
□ 予算は500万円以下
□ PCでの利用も想定している
□ カメラ・GPS・プッシュ通知は必須ではない
□ SEOで集客したい
3つ以上チェックがついたら → Webアプリ
□ カメラ・GPSなどスマホ機能が必須
□ オフラインでも動作する必要がある
□ 高いパフォーマンス・滑らかな動作が求められる
□ プッシュ通知がエンゲージメントの要
□ 「ストアにある」という信頼性が重要
3つ以上チェックがついたら → ネイティブアプリ
第三の選択肢:ハイブリッドアプリ / クロスプラットフォーム
「どちらか一方」だけでなく、両方の良いところを取る選択肢もあります。
クロスプラットフォームとは?
1つのコードベースで、iOS・Android両方のアプリを作る技術です。
代表的なフレームワーク:
- React Native(Facebook製)
- Flutter(Google製)
メリット
- 開発コスト削減:1つのコードで両OS対応
- 開発期間短縮:2回作る必要がない
- ネイティブに近いUX:純粋なWebより快適
デメリット
- 完全なネイティブには劣る:パフォーマンスやUXで若干の差
- 最新機能への対応が遅い:OSの新機能がすぐ使えないことがある
- 対応できる開発会社が限られる:純粋なネイティブほど開発者が多くない
どんなケースに向いているか?
- Webでは物足りないが、純粋なネイティブほどの予算はない
- iOS・Androidの両方に対応したいが、2つ別々に作るコストは厳しい
- スマホ機能は使いたいが、ゲームほどのパフォーマンスは不要
初期ステージで避けるべき3つの失敗パターン
失敗パターン1:最初から完璧を目指す
「iOSもAndroidもWebも、すべて揃えてからリリースしよう」
この考えは危険です。
初期ステージで必要なのは、完璧なプロダクトではありません。
仮説を検証するための最小限のプロダクト(MVP)です。
まずは1つのプラットフォームで始めましょう。
成功してから拡張すればいいのです。
失敗パターン2:開発会社の言いなりになる
「ネイティブで作った方がいいですよ」
開発会社がこう言うのには理由があります。
ネイティブの方が、開発費用が高いからです。
すべての開発会社がそうだとは言いませんが、自社の利益を優先するケースは存在します。
判断は自分で下しましょう。
そのために、この記事で解説した判断基準を使ってください。
失敗パターン3:ユーザーを無視した技術選定
「エンジニアがFlutterを使いたいと言っているから」
「ReactNativeが流行っているから」
これらは間違った理由です。
**技術選定の基準は、「ユーザーにとって何が最適か」**です。
ユーザーがどのデバイスで、どのように使うのか。
それを起点に判断してください。
成功事例に学ぶ:彼らはどう選んだか?
Airbnb:Webから始まり、ネイティブへ
Airbnbは最初、シンプルなWebサイトとして始まりました。
仮説が検証され、成長してからネイティブアプリを追加。
最初からネイティブで始めていたら、今のAirbnbはなかったかもしれません。
Instagram:最初はiOSだけ
Instagramは、iOSアプリのみでスタートしました。
Android版がリリースされたのは、サービス開始から2年後。
1つに集中することで、限られたリソースで最高の体験を作りました。
Slack:Webとデスクトップから
Slackは、WebアプリとデスクトップアプリからスタートしMした。
モバイルアプリは後から追加。
ユーザーの利用シーン(オフィスでのPC作業)を考えれば、当然の選択でした。
共通点
成功したスタートアップに共通しているのは:
- 最初から全部やろうとしない
- ユーザーの利用シーンを起点に選ぶ
- 成功してから拡張する
こんな方に特におすすめです
以下に当てはまる方は、今すぐ技術選定を見直してください:
- これから初めてプロダクト開発を始める非エンジニア起業家
- Webとネイティブ、どちらを選ぶべきか判断に迷っている方
- 限られた予算で最大の効果を出したい方
- 開発会社の提案が妥当かどうか確認したい方
- 過去に技術選定で失敗した経験がある方
- 複数のプラットフォームに対応すべきか悩んでいる方
今すぐ判断すべき理由:
技術選定を先延ばしにしても、状況は良くなりません。
むしろ、曖昧なまま開発が進んでしまうリスクがあります。
間違った技術選定は、数百万円の損失につながります。
判断基準がわかった今こそ、決断のときです。
まとめ:初期ステージではWebアプリが有利なケースが多い
技術選定のまとめ
この記事のポイントをおさらいします。
重要なポイント
- Webアプリは低コスト・高速リリースに適している
- ネイティブアプリはUXとデバイス機能に優れている
- 初期ステージでは仮説検証のスピードが最優先
- 多くの場合、Webから始めて成功後に拡張するのが賢い
- 技術選定はユーザーの利用シーンを起点に判断する
Webを選ぶべきケース
- MVPを最速でリリースしたい
- 予算が500万円以下
- PCでも利用してほしい
- デバイス固有機能が不要
- SEOで集客したい
ネイティブを選ぶべきケース
- カメラ・GPS・プッシュ通知が必須
- オフライン利用が重要
- 高パフォーマンスが求められる
- ストアでの信頼性が重要
今日からできるアクション
- 自社プロダクトのユーザー利用シーンを書き出す
- 判断チェックリストを使って、適切なプラットフォームを特定する
- 開発会社の提案を、この記事の基準で評価する
- 不明点があれば、専門家に相談する
技術選定は、一人で悩まなくていい。
正しい判断基準があれば、非エンジニアでも適切な選択ができます。
でも、自分の判断に自信がない…
そんな時は、専門家の意見を聞いてみませんか?
技術選定で失敗したくない方へ
- Webとネイティブ、自社の場合はどちらが適しているか確信が持てない
- 開発会社の提案が妥当か、第三者の意見がほしい
- 予算内で最大の効果を出す方法を知りたい
- 技術的なことがわからず、判断を先延ばしにしてしまっている
一つでも当てはまるなら、専門家の力を借りてみませんか?
atelier binary(アトリエ・バイナリ)では、「技術がわからないことで挑戦を諦める非エンジニア起業家をゼロにする」というビジョンのもと、技術選定から開発の失敗回避、コスト削減まで、非エンジニア創業者の技術面でのサポートを行っています。
技術がわからなくても、正しい選択ができるようにお手伝いします。
30分の無料相談で、あなたのプロダクトに最適な技術選定についてフィードバックをお伝えします。