エンジニア採用面接で「技術力がわからない」社長が聞くべき魔法の質問3選
「この人、本当に技術力あるの?」——面接で感じる不安
「エンジニアの面接をしても、技術力があるのかどうか、正直わからない」
「面接ではハキハキ答えてくれたけど、入社後に『こんなはずじゃなかった』と後悔した」
「技術的な質問をしても、自分が正しく評価できているか自信がない」
非エンジニアの経営者・起業家から、このような相談を何度も受けてきました。
エンジニア採用は、スタートアップにとって最も重要な意思決定のひとつです。しかし、技術がわからない社長にとって、エンジニアの面接ほど難しいものはありません。
候補者が「React、TypeScript、AWSを使っていました」と言っても、それが凄いのかどうかわからない。「マイクロサービスアーキテクチャを設計しました」と言われても、評価のしようがない。
結局、「なんとなく話しやすそうだから」「前職の会社名が有名だから」という曖昧な基準で採用を決めてしまう。
その結果、入社後に「期待していた成果が出ない」「チームと合わない」「すぐに辞めてしまった」という事態を招くのです。
技術がわからない苦しみは、あなただけではない
この悩みを抱えているのは、あなただけではありません。
私自身、多くの非エンジニア創業者と話す中で、エンジニア採用の難しさを痛感してきました。
ある創業者は、こう語っていました。
「面接で候補者に『どんな技術を使ってきましたか?』と聞いたら、10分くらい専門用語を並べられました。全然わからなかったけど、すごそうに聞こえたから採用しました。でも入社後、他のエンジニアから『あの人、基本的なこともできないですよ』と言われたんです」
技術がわからないから、候補者の言葉を鵜呑みにするしかない。でも、その判断が正しかったかどうかは、入社してからしかわからない。
これは、非エンジニア経営者にとって最大のリスクのひとつです。
この記事でわかること:技術がわからなくても見抜ける「魔法の質問」
技術力を見抜く質問術
この記事では、技術がわからない社長でもエンジニアの実力を見抜ける「魔法の質問」を3つご紹介します。
これらの質問は、技術的な知識がなくても使えます。そして、候補者の回答から、以下のことを評価できます:
- 本当に手を動かしてきた人かどうか
- 問題解決能力があるかどうか
- チームで働ける人かどうか
- 学習意欲があるかどうか
技術用語を理解する必要はありません。候補者の「話し方」と「内容の具体性」を見ればいいのです。
では、具体的な質問に入っていきましょう。
魔法の質問1:「最近、一番苦労した技術的な課題は何ですか?どう解決しましたか?」
3つの魔法の質問
なぜこの質問が効果的なのか
この質問は、候補者の実務経験の深さと問題解決能力を同時に測れる万能の質問です。
本当に技術的な課題に取り組んできた人は、具体的なエピソードをスラスラと話せます。一方、経歴を盛っている人や、実際には手を動かしていない人は、抽象的な回答しかできません。
良い回答の特徴
- 具体的な状況説明がある:「○○のプロジェクトで、ユーザー数が急増したときに...」
- 自分が何をしたかが明確:「私は○○の部分を担当して、△△というアプローチを取りました」
- なぜそうしたかの理由がある:「□□という選択肢もあったのですが、××の理由でこちらを選びました」
- 結果が数字や事実で語られる:「その結果、応答時間が3秒から0.5秒に改善しました」
危険信号となる回答
- 抽象的すぎる:「いろいろ大変でした」「チームで頑張りました」
- 他人事のように話す:「プロジェクトでは○○が行われました」(主語が自分ではない)
- 専門用語を並べるだけ:具体的な状況や結果の説明がない
- 「特に苦労したことはない」:経験が浅いか、難しい課題に取り組んでいない可能性
評価のポイント
技術用語がわからなくても大丈夫です。以下の点を見てください:
- 具体性:固有名詞や数字が出てくるか
- 主体性:「私が」という主語で話しているか
- 論理性:「なぜなら」「その結果」という因果関係が明確か
- 誠実さ:失敗や困難を正直に話しているか
この質問で候補者が話す内容は、技術がわからなくても「この人は実際に手を動かしてきた人だ」とわかるほど具体的であるべきです。
魔法の質問2:「私は技術に詳しくないのですが、○○(候補者の得意分野)について、素人にもわかるように説明してもらえますか?」
なぜこの質問が効果的なのか
この質問は、候補者のコミュニケーション能力と理解の深さを測る最高の質問です。
アインシュタインは「6歳の子供に説明できなければ、理解したとは言えない」と言いました。本当にその技術を理解している人は、専門用語を使わずに本質を説明できます。
また、この質問は「技術がわからない」という社長の弱みを、逆に強みに変える質問でもあります。「わからないから教えて」と正直に言うことで、候補者の真の実力が見えるのです。
良い回答の特徴
- 例え話を使う:「料理で言うと、レシピを書く作業と、実際に調理する作業の違いみたいなものです」
- 段階的に説明する:「まず○○があって、それが△△につながって...」
- 相手の理解を確認する:「ここまでで何か質問はありますか?」
- 身近な例を使う:「スマホでアプリを開くときに...」
危険信号となる回答
- 専門用語を減らそうとしない:「えーと、つまりAPIがRESTfulで...」
- イライラした態度を見せる:「説明が難しいですね...」(うまく説明できない苛立ち)
- 上から目線になる:「簡単に言うと...」と言いながら全然簡単じゃない
- 「説明が難しい」で終わる:工夫しようとしない
評価のポイント
この質問の評価は簡単です。あなたが理解できたかどうかが答えです。
候補者の説明を聞いて「なるほど、そういうことか」と思えたら、その候補者はコミュニケーション能力が高く、技術の本質を理解しています。
逆に、説明を聞いても「結局よくわからなかった」なら、その候補者は:
- 技術の本質を理解していない、または
- 非エンジニアとのコミュニケーションが苦手
どちらにしても、非エンジニア経営者と働くスタートアップでは問題になる可能性があります。
ちなみに、このような「技術を非技術者に説明する」コミュニケーションは、atelier binaryが最も大切にしているスキルのひとつです。「技術がわからないことで挑戦を諦める起業家をゼロにする」というビジョンを実現するには、技術の壁を言葉で溶かす能力が不可欠だからです。
魔法の質問3:「もし、この会社で最初の1ヶ月で何かひとつ改善するとしたら、何をしますか?」
なぜこの質問が効果的なのか
この質問は、候補者の主体性と実践力、そして御社への関心度を測る質問です。
優秀なエンジニアは、入社前から会社のプロダクトやサービスを研究しています。そして、「自分ならこうする」という具体的なアイデアを持っています。
一方、「入社してから考えます」という受け身の姿勢の候補者は、入社後も指示待ちになる可能性が高いです。
良い回答の特徴
- 事前に調べている形跡がある:「御社のサービスを実際に使ってみたのですが...」
- 具体的な提案がある:「○○の部分を△△に改善したいです」
- 理由が明確:「なぜなら、ユーザーとして使ったときに□□だったからです」
- 実現可能性を考慮している:「まずは小さく△△から始めて...」
危険信号となる回答
- 何も調べていない:「まだ御社のサービスを使ったことがないので...」
- 抽象的すぎる:「品質を向上させたいです」(具体的に何を?)
- 非現実的:「全部作り直したいです」(1ヶ月でできる範囲を考えていない)
- 受け身:「指示されたことをやります」
評価のポイント
この質問で見るべきは、**候補者の「自分ごと感」**です。
まだ入社していないのに、すでに「自分がこの会社で働いたら」と具体的に考えている人は、入社後も主体的に動きます。
逆に、「入社してから考えます」という人は、受け身の姿勢で仕事をする可能性があります。スタートアップでは、自ら課題を見つけて解決できる人材が必要です。
また、この質問への回答が的外れだったとしても問題ありません。重要なのは「考えてきたかどうか」「御社に興味を持っているかどうか」です。
こんな方に、この質問術を試してほしい
- エンジニアの面接をする予定だが、何を聞けばいいかわからない方
- 過去にエンジニア採用で失敗した経験がある方
- 技術がわからないことにコンプレックスを感じている経営者
- CTOや技術責任者がいない中でエンジニア採用をしなければならない方
- 採用した後に「思っていたのと違った」と後悔したくない方
技術がわからなくても、優秀なエンジニアは見抜けます。
大事なのは、技術用語を理解することではありません。候補者の話し方、具体性、論理性、そして人間性を見ることです。
今回ご紹介した3つの質問は、技術的な知識がなくても使えます。そして、これらの質問に対する回答を評価するのに、技術的な知識は必要ありません。
まとめ:技術がわからなくても、良いエンジニアは見つけられる
エンジニア採用成功のポイント
エンジニア採用面接で使える「魔法の質問」をおさらいします。
質問1:「最近、一番苦労した技術的な課題は何ですか?どう解決しましたか?」
→ 実務経験の深さと問題解決能力を測る
質問2:「私は技術に詳しくないのですが、○○について素人にもわかるように説明してもらえますか?」
→ コミュニケーション能力と理解の深さを測る
質問3:「もし、この会社で最初の1ヶ月で何かひとつ改善するとしたら、何をしますか?」
→ 主体性と御社への関心度を測る
これらの質問で見るべきポイントは共通しています:
- 具体性:抽象的な回答ではなく、固有名詞や数字が出てくるか
- 主体性:「私が」という主語で、自分の行動を話しているか
- 論理性:「なぜなら」「その結果」という因果関係が明確か
- 誠実さ:失敗も含めて正直に話しているか
技術用語がわからなくても、これらのポイントは評価できます。
今日からできるアクション:
- 次の面接でこの3つの質問を使ってみる
- 回答の「具体性」に注目する(曖昧な回答に騙されない)
- 「わからない」を武器にする(素人にもわかるように説明を求める)
- 直感も大事にする(話していて信頼できるかどうか)
エンジニア採用は難しいですが、不可能ではありません。技術がわからないことを恥じる必要はありません。わからないからこそ見える視点があるのです。
エンジニア採用や技術的な判断でお困りですか?
atelier binaryでは、「技術がわからないことで挑戦を諦める起業家をゼロにする」というビジョンのもと、非エンジニア経営者の技術参謀を務めています。
- エンジニア採用面接に同席してほしい
- 候補者の技術力を評価してほしい
- 採用戦略について相談したい
- 技術チーム構築のアドバイスがほしい
こんなお悩みがあれば、お気軽にご相談ください。